朝ドラを中心としたドラマのネタバレや出演者情報などを紹介

朝ドラネタバレプラス「patin」

エール

朝ドラ「エール」第10週ネタバレ!ご都合主義な幸運展開と音の選択

更新日:

朝ドラ「エール」第10週ネタバレ!ご都合主義な幸運展開と音の選択

朝ドラ「エール」第10週のあらすじ・ネタバレを紹介していきたいと思います。

「エール」の第10週では、裕一(窪田正孝)はレコードデビューできたもののまったく売れない。

そして、音にも重大な出来事があって・・・二人に大きな転機が訪れます!

それでは第10週はどうなるのか、ネタバレしていきたいと思います。

この第10週はこれまでの青春な感じから、大人へのステップアップな感じの話ですね。

ただ大人になるだけでなく、ご都合主義な幸運が舞い込んでしまう展開でございますな。

先生

朝ドラ「エール」第10週のあらすじネタバレ「響きあう夢」

ヒット曲に恵まれない裕一(窪田正孝)は、木枯(野田洋次郎)から売れっ子作詞家の高梨一太郎を紹介される。

高梨に見込まれ裕一が作曲した「船頭可愛いや」は藤丸(井上希美)の歌でレコードに。

しかし廿日市(古田新太)の期待もむなしく全く売れない。

そこで起死回生で取られた手段とは!?

一方、音楽学校のオペラ公演に向け、音(二階堂ふみ)らは、環(柴咲コウ)のもと本番に向けて稽古に励んでいたが・・・。

朝ドラ「エール」第10週46話のネタバレ

裕一(窪田正孝)のデビュー作『福島行進曲』のレコードは全く売れなかった。

その結果に裕一が落ち込んでいるところに、鉄男(中村蒼)が大きな荷物を抱えて古山家を訪ねてきた。

なんと新聞社を辞め、福島の家も引き払って上京してきたのだという。

「副業は禁止だの、縁談断んなら左遷だの、いろいろ言われで面倒になってな。」

「所帯を持つあでもなぐなったし、この機会にやりでえごどやろうど思ったんだ」

「そう・・・よぐ決断したね。一緒に頑張ろ」

「ああ。それで早速なんだげど、コロンブスレコードに紹介してもらうごどでぎねえが?詞見でもらうだげでもいいんだ」

「あ・・・うん・・・」

音(二階堂ふみ)はといえば、学校の記念公演に向けて『椿姫』の稽古が始まり、やる気と希望に満ち溢れていた。

演出家の黒崎達治の下で稽古が始まると、双浦環(柴咲コウ)が監修に入る事が発表され、音は感激する。

初日の稽古のあと、音は環に決意のほどを伝えに行った。

「環先生。あの・・・よろしくお願いします。私、頑張ります!」

「・・・そうね。かなり頑張らないと厳しいでしょうね」

戸惑う音に、環はこう続けた。

「あなたが選ばれた理由は二つ。一つ目は、夏目さんが選考会でベストを尽くせなかったこと。」

「二つ目の理由。夏目さんがベストを出せなかったのは、選考会でのあなたの気迫に動揺したから。」

「・・・あの時のあなたの歌には、荒削りだけど人の心を揺さぶる何かがあった。」

「審査員は、あなたの可能性に懸けてみようと考えたの」

「・・・ありがとうございます」

「だからといって、お客様に未熟なものを見せるわけにはいかない。あなたに足りない技術を、これから死ぬ気で磨きなさい。期待してるわ」

「・・・はい!」

環の言葉を受けて、音は自宅でも呼吸法や発声の訓練に励み始めた。

鉄男は、東京で知り合いの下宿に住むことを決めた。

裕一は、廿日市(古田新太)に紹介しようと鉄男をコロンブスレコードのサロンに連れていった。

ところが廿日市は、鉄男の名前を聞くよりも先に怒りだした。

「誰を紹介したいって?ただでさえ君みたいな不良債権抱えてんのに、これ以上面倒見られると思う?」

「『福島行進曲』だって、結局ちっとも売れなかったじゃない。大体さ、あの歌詞、意味わかんないじゃない。トランプって何よ。福ビル?さっぱりわかんないよ。」

「作詞家の仕事、なめてんじゃないの?」

「あ、あの・・・村野鉄男君です・・・『福島行進曲』の・・・」

ようやく裕一が鉄男を紹介すると、廿日市はあからさまに見下した態度を取った。

「あ~。何、君がトランプくん?」

「あんた、福島ばがにしてんのが!」

「してねーよ。地方小唄ならもっとわかりやすい言葉で作ってくれなきゃって話だろうが」

「あんたがわがっかどうがなんて関係ねえ!歌は聴いでくれだ人のもんだ!」

こんな男の世話にはならないと、鉄男はサロンから出ていき、裕一は慌てて後を追った。

「鉄男君、ご、ごめん!あ、あ、あの人、もどもどああいう人なんだ。」

「曲のよしあしより、売れないものには価値がないって考え方で・・・」

廊下で鉄男をとりなしていると、木枯(野田洋次郎)が通りかかり、裕一に声をかけてきた。

「ちょうどよかった。話があったんだ」

その後、裕一と鉄男、木枯の三人は、屋台のおでん屋で酒を飲んだ。

鉄男は、木枯が作曲した『酒は涙か溜息か』が大好きだと言い、出会えたことを喜んでいた。

「『福島行進曲』もよかったですよ。いい歌詞ですよね。しみました」

木枯から、廿日市の言う事は気にする必要はないと言われ、鉄男は感激する。

「そういえば、話ってなに?」

裕一が尋ねると、木枯は意外なことを口にした。

「ああ・・・。実は、移籍することになった。『テイコクレコード』に誘ってもらったんだ」

コロンブスレコードより報酬がいいのだと、木枯は裕一の耳元でささやいた。

「テイコク、いいですね。あの、もしご迷惑でなげれば、今度、詞見でいただげませんか」

鉄男が頼むと、木枯は快諾した。

「やった・・・!」

小さくガッツポーズをする鉄男の傍らで、裕一はため息をつく。

「・・・木枯君はすごいなぁ。僕は何やってんだろ・・・」

「心配無用。いずれ、必ず、君はコロンブスを背負う作曲家になる」

おでん屋を出て鉄男と別れ、二人きりになると、木枯が裕一に言った。

「鉄男君、いいやつだな。羨ましい。」

何が羨ましいのか、鉄男にはわからない。

「俺、友達いないから」

「ぼ、僕は木枯君のこと、友達だと思ってたげど」

「・・・サンキュ」

「テイコク行っても、たまに会おうよ」

「ああ。・・・そうだ、もう一つ話があったんだ」

“もう一つの話”とは、裕一に人を紹介したいということだった。

後日、木枯は、カフェーで裕一と高梨一太郎(ノゾエ征爾)という人物を引き合わせた。

「『酒は涙か溜息か』の作詞をしてくれた先生だ」

「あなたが古山さん、やっとお目にかかれました」

高梨はにこやかに挨拶をし、裕一に、自分の詞に曲をつけてほしいと頼んできた。

『福島行進曲』を気に入って裕一のことを木枯に尋ねてみたところ、海外で受賞歴もある天才だと聞かされ、ぜひにと思ったのだという。

裕一が快諾すると、高梨はその場で原稿を取り出した。

「実はもう書いてきちゃいまして・・・」

朝ドラ「エール」第10週47話のネタバレ

高梨一太郎(ノゾエ征爾)が書いてくれたのは『船頭可愛や』という詞だった。

裕一(窪田正孝)はこれを気に入り、帰宅後すぐに曲作りに没頭する。

「お疲れさま。一息入れたら」

お茶をいれてきた音(二階堂ふみ)に、裕一は意気込みを語る。

「さすが高梨先生だよ。せっかく木枯(野田洋次郎)がつないでくれだ縁だし、頑張んないとね」

「うん。楽しみにしとる」

「音のほうは、稽古どう?」

「うーん。難しいね・・・正確に歌うことと、表現をすることを両立させるって、なかなか大変」

「技術に関しては、意識しなくても自然にできるようになるまで、繰り返し練習するしかないがもね。頑張って」

「そうだね。そうだよね。ありがと、裕一さんもね」

だが翌日の稽古でも、音は演出家の黒崎から注意されてばかりいた。

稽古が先に進まないため、出演者の中には不満そうな者もおり、音は焦りを感じる。

放課後も一人レッスン場に残って自主練習をしていると、双浦環(柴咲コウ)がやってきた。

「息を吸うタイミングが、そもそも違うのよ。ここ。このタイミングで」

環は楽譜を指して、じきじきにアドバイスをくれた。

「ここの高音は、つむじを意識して。天井から引っ張られる気分で。同時にのどを開いて」

言われたとおりにしてみると、高音がきれいに出た。

「そう!それ」

さらに環は、自分がパリで『椿姫』の舞台に出演したときのレコードを音にくれた。

「よかったら参考にして。本場の舞台を直接見るのがいちばん勉強になるんだけどね。できれば海外で」

「本場のオペラ・・・見てみたいなぁ・・・。夫の留学についていきたかったんですけど、留学自体がなくなっちゃって」

「確か・・・ご主人は国際作曲コンクールで賞を取られたとか」

「今はコロンブスレコードの赤レーベルで、専属作曲をしています。環先生は、流行歌なんてお聴きにならないですよね」

「そんなことないわ。いい音楽なら何でも好きよ。」

「子供の頃は長唄を歌っていたし。ご主人は、どんな曲を出されているの?」

「それが・・・まだ一枚しか出せてなくて・・・実力は確かなので、後はきっかけさえあればと思ってるんですけど」

「そうね。きっかけは大事。あなたはそれをつかんだんだから、無駄にしないようにね」

「・・・はい!頑張ります!」

裕一は、『船頭可愛や』の曲を書き上げ、廿日市(古田新太)に譜面を見せた。

作詞家が高梨一太郎だと知ると、廿日市は即座に採用を決めた。

このころ、芸者がレコードを出すのが流行しており、廿日市は『船頭可愛や』も、よさそうな芸者を探して歌ってもらうと言う。

「もし売れなかったら、君もう要らないから。契約金も返済してね。一括で」

「えっ、ち、ちっと待ってください・・・」

「待ちくたびれたよ。この二年、君、全く利益出してないのよ?」

それを言われると、裕一は何も言い返せない。

肩を落として去ろうとする裕一に、廿日市はくぎを刺した。

「今度は脅しじゃねーぞ。本気だからな」

鉄男(中村蒼)は、東京で生計を立てていくために屋台のおでん屋を営むことにした。

元の店主が故郷に帰るというので、鉄男が引き継ぐことにしたのだ。

「好きなどぎ詞も書げるし、時間も融通利くがら・・・」

店に飲みに来た裕一と久志(山崎育三郎)に、鉄男はそう話した。

三人で話すうちに『船頭可愛や』のレコーディングが決まったという話題になり、芸者に歌ってもらうことになったと裕一が言うと、久志も鉄男も興味津々で身を乗り出してきた。

「どこの芸者だ?向島が新橋か?」

「裕一はもう会ったのが」

二人はレコーディング当日にも録音室にやって来た。

どんな美女が現れるのかと思いきや、やって来たのは化粧気のない、地味な女性だった。

「どうも、沼田松子です・・・じゃなかった、ええっと・・・藤丸です。よろしくどうぞ」

本物の芸者に頼むとギャラがかさむため、廿日市は下駄屋の娘である松子に、「藤丸」という名の芸者として歌うよう依頼していた。

「どうせ顔なんて見えないし、いいでしょ、芸者ってことにしちゃえば」

いざ歌い始めると、藤丸の歌唱力はすばらしく、裕一たちは圧倒された。

ところが『船頭可愛や』のレコードは、『福島行進曲』と同様、売れなかった。

コロンブスレコードは、同時に発売された別の曲に力を入れており、『船頭可愛や』はろくに宣伝されなかったのだ。

それでも廿日市は容赦なく、秘書の杉山にこう告げた。

「宣伝なんかしなくたって、いい曲なら売れるでしょ。」

「あいつとの契約は終わり。借金も返してもらう」

朝ドラ「エール」第10週48話のネタバレ

古山家は、上京以来最大の危機を迎えていた。

裕一(窪田正孝)は音(二階堂ふみ)に心配をかけまいと、『椿姫』の稽古に集中するようにんと話すが、解決策は何も思い当たらず、落ち込んでいた。

音のほうも不安は拭えず、放課後の自主練習の合間に思わずため息をついた。

「はぁ・・・どうなっちゃうんだろう・・・」

そこに双浦環(柴咲コウ)がやって来た。

「今度はどこを悩んでいるの」

「・・・ここのカデンツァと・・・」

楽譜を指して答えたが、目下のいちばんの悩みについても口にせずにいられなかった。

「それから・・・わが家の財政について・・・」

「え?」

「・・・主人が、契約を打ち切られるかもしれないんです。新しい曲が全然売れなくて・・・。いい曲なのに・・・なんで売れないのか・・・」

「何ていう曲なの?」

かばんからレコードを取り出しながら、音はあることをひらめいた。

「環先生、聴いていただけませんか?お願いします。本当にいい曲なんです!」

環は蓄音機にレコードをかけ、『船頭可愛や』を聴いた。

「・・・とってもいい」

「よかった!主人にも、環先生が褒めてくださったって伝えます!」

「ねえ・・・。これ・・・私、歌っていいかしら」

「・・・へ?あの・・・それはどういう・・・」

「この曲を私が歌って、もう一度レコードを出すの」

その日のうちに裕一は、バンブーで環に会うことになった。

音と共に環が現れると、裕一は緊張のあまり話すこともままならなくなった。

「は!は、はじ、初めめまま・・・」

「双浦です。初めまして」

環のほほえみに、裕一も、保(野間口徹)と恵(仲里依紗)も、一瞬で心を奪われた。

「ま、誠に光栄なお話しで・・・で、でもどうして・・・」

「『船頭可愛や』が、大変優れた曲だからです。西洋音楽をベースにしながら、流行歌としての親しみやすさも兼ね備えている。」

「これが評価を受けないなんて、日本の音楽業界は、遅れていると感じました。」

「ですが、もしかしたら知らないだけかもしれません。世間の人たちの元に、この曲がまだ届いてない」

環がオペラの世界で広く認められるようになったきっかけは、プッチーニに評価されたことだった。

その経験から、人々に認知されることの重要さを痛感しているのだという。

「私は、いい音楽を広めたい。あなたの音楽を大勢の人に届けたい。このままじゃもったいないわ。古山さん。私に、歌わせていただけますか?」

「も、も、もちろんです・・・!ありがとうございます!」

これを実現するにはコロンブスレコードの許可が必要なので、裕一はさっそく、廿日市(古田新太)にも連絡を入れた。

廿日市は大いに乗り気で、翌日の会議で、社長、専務、販売部長に双浦環版の『船頭可愛や』の発売を提案した。

「社長!世界の双浦環ですよ!話題性抜群、必ず売れます。間違いありません!」

裕一も同席し、みずから頭を下げた。

「わ、わ、私からもお願いします!ぜ、ぜひもう一度、双浦環さんの歌で録音させでください!」

しかし専務が難色を示した。

「双浦環が歌うってことは、青レーベルから発売するということか。赤レーベルの作曲家が作った曲を、青レーベルの歌手が歌うというのは・・・どうなんだろうねぇ」

「世間は、赤とか青とか気にしませんって!」

廿日市は反論したが、社長もいい顔をしなかった。

「世間はともかく、小山田先生がねぇ・・・」

社長の懸念どおり、小山田(志村けん)は双浦環が『船頭可愛や』を歌うことを認めなかった。

そこで裕一は、バンブーで音と環に事の次第を話した。

「会社は先生の機嫌損ねたくないみたいだし、最初は張り切ってた廿日市さんもすっかりおとなしくなっちゃって・・・」

「じゃあ、環先生は歌わせてもらえんってこと?許せん・・・あたし・・・行ってくるわ」

得意の直談判に行こうとする音を、裕一が慌てて止めていると、環が口を開いた。

「古山さん。私に任せて」

環は小山田の自宅を訪ね、反対している訳を問いただした。

「説明するまでもないだろう。青レーベルは西洋音楽。赤レーベルは流行歌。そういうルールだ」

「でも、小山田先生も、赤レーベルで曲を書かれてますよね」

「青レーベルの私が赤で書くことと、赤レーベルの新人作曲家が青レーベルの歌手の曲を書くこととは訳が違う。身の丈というものがある」

「赤とか青とか、その区分はそんなにこだわるべきものですか?」

「君こそ、なぜあの男にこだわる。コロンブスのお荷物だぞ」

「その古山さんをコロンブスレコードに推薦したのは、小山田先生ですよね」

黙り込んだ小山田の顔を、環は直視した。

「・・・その目。・・・私、同じ目を見たことがあります。」

「ドイツにいた頃。先生と同じ目をした芸術家たちを、たくさん見ました。」

「彼らは皆、自分の立場を脅かす新しい才能に敏感です」

「・・・ばかばかしい」

そう言って小山田は視線をそらす。

「先生はなぜ、西洋音楽で評価を受けていた古山さんを、青ではなく、赤レーベルに推薦させたのですか」

答えようとしない小山田に、環はきっぱりと決意を述べた。

「・・・先生が反対されても、私は『船頭可愛や』を歌います」

数日後、環が歌う『船頭可愛や』のレコーディングが行われた。

廿日市は小山田の意向に逆らうことに抵抗を示したのだが、環からこう迫られ、腹を決めた。

「上の機嫌を取って今いる場所を守るか、勝負に挑んで大きな利益を得るか。どちらになさいますか?」

廿日市の決断は、大成功につながった。

環版の『船頭可愛や』は、発売されるやいなや大ヒットとなったのだ。

相乗効果で藤丸版も売れ行きを伸ばし、裕一が書いた曲が町中に流れるようになった。

音のほうも、日々の地道な訓練の成果が現れ、プリマドンナらしくなってきたと環から褒められるようになっていた。

朝ドラ「エール」第10週49話のネタバレ

そんなやさきのことだ。

音(二階堂ふみ)が妊娠していると分かった。

「すごい!僕らの赤ちゃんが・・・。僕が父親になる・・・どうしよ、信じらんない」

大喜びの裕一(窪田正孝)は、同時に極度の心配性にもなった。

「音、体大事にしないと。調子悪がったらすぐ言ってよ?あ・・・ちっと薄着過ぎない?学校行くとぎも、足元に気をつけ・・・。あ・・・学校・・・」

「・・・退学しないといかんだろうね。子育てしながらじゃ、通学できんし」

音は、少し寂しそうに笑った。

「でも、記念公演には出るよ。『椿姫』だけは絶対にやり遂げる」

「大丈夫なの・・・?」

「まだおなかもそんなに目立たんし、何とかなるよ。学校は辞めても、公演を成功させてレコード会社の目に留まったら、歌手になる道は開けると思うんだ」

母になる事も歌手になる夢も、両方かなえる。

音のその決意を応援しようと裕一は決めた。

「協力できっことは何でもやるよ。でも、絶対に無理はしないで。約束だがらね!」

「わかっとるって。ありがと」

『椿姫』の稽古場で、音は妊娠したことを明かした。

「もう少し落ち着いてからお知らせしようかとも思ったんですけど」

すると、困惑した様子で黒崎が答えた。

「いや、こういうことは一刻も早く言ってもらったほうがいい。一緒にやれなくなるのは残念だが、めでたいことだしな」

「いえ、私、舞台には出ます。生まれるのはまだ先ですし、体調も問題ありませんから」

驚き、ざわつく一同に向かって、音は頭を下げた。

「皆さんには決してご迷惑おかけしませんので。引き続き、どうぞよろしくお願いします」

頭を上げると、黒崎や何人かの出演者たちの戸惑った顔が目に入った。

その後、稽古場内では、ヴィオレッタ役は千鶴子に交代したほうがいいとささやかれ始めた。

その声は音の耳にも届き、千鶴子からも直接苦言を呈されてしまう。

「やっぱりあなたは強欲ね。あなたがどう生きようとかまわない。でも、少しは周りのことも考えて。」

「正直、みんな戸惑ってる。あなたに気を遣って、思い切り練習ができないって」

「気を遣ってもらう必要なんて」

「そういうわけにはいかないでしょう!・・・私だって、こんなことは言いたくないのよ」

そんな折、吟(松井玲奈)が古山家を訪ねてきた。

「妊婦さんって、酸っぱいもん欲しくなるっていうから、これ」

手土産のみかんを差し出す吟の指には、結婚指輪が光っている。

予定通り鏑木と結婚し、新婚生活も落ち着いてきたところだった。

「私もついに伯母さんかぁ。お母さんと梅(新津ちせ)も、すっごく喜んどったよ。梅は東京に用事もあるから、近いうちに会いに来たいって」

「東京に何の用事?」

「あの子、またやる気出して、小説の文学費に挑戦しとるみたい。出版社に売り込みに行くとか何とか・・・よく知らんけど」

「そっか。梅も頑張っとるんだね・・・」

「あんたのほうは、学校もう手続したの?退学するんでしょう?」

「記念公演が終わるまでは通うつもりだよ」

「え?何言っとるの?あんた妊婦なのよ?おなかの赤ちゃんに万一のことがあったらどうすんの」

「気をつけとるから大丈夫」

「でも、あんた一人の体じゃないんだし・・・」

「わかってるよ!いちいちうるさい!」

いらだちを抑えられず、音は声を荒げた。

そして、そんな自分に驚き、黙り込んだ。

その後、帰っていく吟を、裕一は一人で玄関まで見送った。

「な、なんか・・・すいません・・・」

「妊婦さんの中には気持ちが不安定になる人もいるっちゅうし。そのうち落ち着くでしょ」

吟の言うとおり、音は自分の気持ちをコントロールしきれなくなっていた。

つわりが始まり、米が炊ける匂いに吐き気を催すなど、体調も変化してきた。

寝室で一人になると、びっしりと書き込みをした『椿姫』の楽譜が目に留まった。

そして、環(柴咲コウ)からもらった『椿姫』のレコード。

その横には、気の早い裕一が買い集めたおなかの子のためのおもちゃである。

気持ちも体もままならない音は、進むべき道を見失いかけていた。

それでも翌朝には、早くからレッスン場に行って発声練習を始めた。

一人で根気よく繰り返しているところに、環がやって来た。

「早いわね」

「いろいろ取り戻さないといけないので」

「今日は・・・今日もだけど、古山さんは五度以上音が飛ぶと不安定になる。まずはそこを克服しないとね」

環の厳しい指摘が、音にはうれしかった。

「環先生だけです。普通に接してくれるのは。みんな、変に気を遣ってきたり、二言目にはおなかの子に障るからって、うるさいこと言ったりして」

「・・・私は、あなたを特別に扱う必要なんてないと思ってる。あなたにはプリマドンナとしての責任があるし、それを全うする義務がある。あなたは『椿姫』の舞台に出たいのよね」

「もちろんです。舞台をしっかり務め上げて、プロの歌手になりたいです」

「そう。・・・プロってね、たとえ子供が死にそうになってても、舞台に立つ人間のことを言うの。あなた、当然その覚悟はあるのよね?」

音は言葉を失い、とっさにわが子を守るようにおなかに手を添えた。

朝ドラ「エール」第10週50話のネタバレ

翌朝、音(二階堂ふみ)は起き上がるのもつらいほど、つわりがひどくなった。

それでも学校に行こうとする音を、古山裕一(窪田正孝)は何とか止めようとした。

「調子悪いんだし、一日ぐらい休んだって」

「・・・ぐらい?ぐらいって何?あたしはプリマドンナなの。一日でも休んだら迷惑がかかる」

「で、でも、音はお母さんになるんだし、もっと体のごども、大事に・・・」

「・・・裕一さんにとって、あたしって何なの?赤ちゃんのお母さんでしかないの?」

「そんなごど」

「・・・裕一さん、代わりに産んでよ。裕一さんは家でも仕事できるから、おなかに赤ちゃんいたって大丈夫でしょう」

「・・・代われんなら、代わってあげたいげど・・・」

「・・・どうして女だけ・・・」

そうつぶやいて、音は布団に潜った。

この日から二週間、音はほどんど練習に参加することができなかった。

ある晩、鉄男(中村蒼)のおでん屋に裕一、久志(山崎育三郎)、藤丸が集まった。

久志によると、『椿姫』の出演者もスタッフも、音の体調を心配しているという。

「最近、声の調子も少し変わってきてるね。声量が落ちてきてるし、息も続かなくなってる」

それを聞いて鉄男は、裕一と同じことを言った。

「まずは体を大事にするごどだ。母親になる身なんだがら」

「そ、そ、それ言ったら、すごぐ機嫌悪くなっちって」

すると、酒に酔った藤丸が、裕一に苦言を呈した。

「これだから男は。裕一さん。子供のことしか眼中にないんじゃないの」

「え・・・」

「赤ちゃんの母親である前に、奥さんだって一人の人間ですよ。」

「歌手を志してきたこれまでのこと、これからのこと、きっといっぱい悩んでる。」

「あなたも父親になることに浮かれてばっかいないで、もっと奥さんの心の内を想像して、寄り添ってあげなさいよ」

裕一は藤丸の言葉をかみしめながら、おでんを土産に家に向かった。

ところが、帰宅すると音の姿がない。

慌ててバンブーに行ってみたが、保(野間口徹)も恵(仲里依紗)も居場所を知らなかった。

もしやと思い、音の学校に行ってみると、廊下の奥の部屋から歌声が聞こえてきた。

そこはレッスン場で、月明かりとランタンの光の中、音が一人で練習に励んでいた。

裕一が来たことにも気づかず、音は懸命に歌い続けている。

だが息が続かず、どうしてもメロディーが途切れてしまう。

何度も何度も歌いなおすうちに、音は力尽き、その場に座り込んでしまった。

裕一はそっと寄り添って、うつむいたままの音に語りかける。

「・・・音。今から僕は作曲家として、声楽家の君に伝えだいごどを言う。・・・いいがな」

顔を上げた音は、ゆっくりとうなずいた。

「・・・君は舞台に出るべきじゃない。息が続かないのは致命的だ。メロディーの美しさを表現できないし、聞く人を不安にさせる。」

「そんな歌しか歌えないんじゃ、お客さんにも失礼だ」

裕一を見つめる音の瞳に、涙が浮かんだ。

「・・・ひどい。ひどいよ!なんでそんなこと言うの!?」

叫んだ音は、思わず裕一の頬を打った。

「音・・・」

裕一が音を抱き寄せると、かたくなだった音の心が、裕一の腕のぬくもりの中でほぐれていった。

そして音は、こらえてきた思いを初めて口にした。

「わかってる・・・。声も出んし、息苦しいし・・・こんなんじゃいかんって・・・みんなにも迷惑かけるって・・・分かってるけど・・・。」

「赤ちゃんできたのはうれしい・・・でも時々、どうして今なの?って・・・そんなふうに思っちゃう自分が嫌で・・・。」

「環先生に『子供が死んでも舞台に出るのがプロ』って言われたとき、怖くなった。」

「理屈じゃなくて、この子がいなくなるなんて絶対嫌だって・・・。」

「この子に会いたい。歌も諦めたくない・・・覚悟もできんくせに・・・もうどうしていいのかわからん・・・」

泣き続ける音に、裕一が静かに言う。

「提案があるんだ。音の夢を、僕に預けてくれないが。君がもう一度、夢に全力で向き合える日がくるまで、僕がその夢を預かって、大事に育てる。」

「・・・君の夢は、僕の夢でもあるんだがら。その代わり、君にもいつか、僕の夢をかなえでほしい」

「裕一さんの・・・夢・・・」

「僕の作った曲を、君が、大きな舞台で歌う。そうやって、二人で夢を交換しながら生きていけだら、楽しいど思わない?」

「音は何一つ諦める必要ない。そのために僕がいんだ」

「・・・ありがとう」

笑顔の裕一に、音はしっかりと抱きついた。

翌日、音は『椿姫』を降板し、退学届を提出した。

そして、双浦環(柴咲コウ)のところに挨拶に行った。

「・・・残念ね。あなたには期待してたんだけど」

「・・・申し訳ありません」

「謝ることないわ。ほとんどの人は、いばらの道ではなく、平穏な幸せを選ぶ。あなたもその道を選んだ。それだけのことよ」

「・・・私は、歌手になる夢を諦めたつもりはありません。夢も子供も、夫婦二人で育てていきます。

「彼がいてくれたから選べた道です。お世話になりました」

頭を下げた音は、環の瞳に動揺の色が差したことには気づかなかった。

「・・・また会える日が来るのを、楽しみにしてるわ」

そう答えたとき、環はいつもどおりの凛とした表情に戻っていた。

それから半年後、音は無事に、元気でかわいい女の子を産んだ。

裕一と音の人生に、また一つ宝物が増えた。

朝ドラ「エール」第10週「響きあう夢」のネタバレ

『椿姫』の練習が始まった。

主役に抜擢された音(二階堂ふみ)だったが、技術面では千鶴子(小南満佑子)にかなわないため、呼吸法や体作りから始めなくてはいけない。

鉄男(中村蒼)は福島の仕事を辞めて上京してきていた。

新聞社の社長令嬢との縁談を断ったことなどで、周囲がうるさく嫌気がさした・・・とのことだった。

裕一(窪田正孝)は鉄男をコロンブスレコードの廿日市(古田新太)に紹介する。

しかし、まったく取り合ってもらえない。

その理由は、『福島行進曲』が売れなかったから・・・。

そんな中、木枯(野田洋次郎)から裕一に仕事の話が舞い込む。

木枯のヒット曲を作詞した高梨一太郎が、自身が作詞した『船頭可愛や』に曲を付けてほしいとのことだった。

裕一の『福島行進曲』を聞いた高橋からのたっての希望だった。

裕一が『船頭可愛や』の作曲をすると、歌詞が高梨一太郎と知った廿日市は即採用。

同時に、これが最後のチャンスと宣告されてしまう。

しかし、レコードは売れず、廿日市から契約終了と、今までの契約金の返却まで求められてしまった・・・。

裕一にとって最大のピンチがやってきた。

音から事情を聞いた環(柴咲コウ)は、『船頭可愛や』を聞くと自分が歌いたいと言い出す。

廿日市は世界的歌手・双浦環の提案に張り切りってのっかる。

しかし、裕一が作曲する流行歌は赤レーベル。

そして双浦環が歌う場合は、西洋音楽の青レーベルからのレコード出版となる。

そのことで、青レーベルの中心人物・小山田耕作(志村けん)が難色を示してきた。

しかし、これを環は新しい才能への脅威と見抜き、

「私は歌う」

と言い切るのだった。

環の『船頭可愛や』は発売されるや大ヒットとなる。

一方、練習の成果が出始めた音だったが、妊娠していることが発覚。

それでも舞台に立ちたいという音に周囲は困惑する。

音自身も何をしても「お腹の子に障る」と言われることに苛立っていた。

環だけはこれまでどおり接してくれる、そう思い音は環に歌への情熱を訴える。

しかし、環から

「プロというのは子どもが死にそうになっても舞台に立つ人間。あなた、当然その覚悟はあるのよね?」

と言われてしまう。

音は絶句してしまった。

2週間後、久志(山崎育三郎)から、音の声量が落ち、息も続かなくなっていると聞いた裕一は、音に舞台に出るべきではないと伝える。

音は自分がどうすればいいのかわからなくて涙を浮かべてしまう。

そんな音に裕一は

「音の夢を僕に預けて欲しい」

と伝える。

いつか、裕一が作った曲を、音に大舞台で歌って欲しい・・・と。

裕一の言葉にうなずいた音は『椿姫』を降板し、退学届けを提出する。

半年後、古山家に元気な女の子が誕生するのだった。

この第10週は裕一と音、二人の成長が描かれています。

これからもきっと、音と裕一は二人で成長していくことでしょう。

更に、子供の華が増えました。

そして、二人にとっての別れもまた・・・くるのです。

それはまた、別のお話し。

先生

 
【第9週のネタバレはこちら】

朝ドラ「エール」第9週ネタバレ!鉄男(中村蒼)の恋路と裕一のレコードデビュー

【こちらの記事もチェック!】

朝ドラ「エール」のモデル古関裕而の留学話は本当?息子から見る古関裕而とは

-エール
-

Copyright© 朝ドラネタバレプラス「patin」 , 2020 All Rights Reserved.