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朝ドラ「エール」第8週ネタバレ!田中隆(三浦貴大)の過去と甲子園の夢

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朝ドラ「エール」のモデル古関裕而の留学話は本当?息子から見る古関裕而とは

朝ドラ「エール」第8週のあらすじ・ネタバレを紹介していきたいと思います。

「エール」の第8週では、また裕一(窪田正孝)にとって運命を変えるような出来事が起こります。

コロンブスレコードと契約をしたのはいいものの、それっきり作曲がうまくいかず廿日市(古田新太)から曲を却下され続けている。

そんな裕一にとっての転機となるのがこの第8週です。

第8週で裕一に何が起こるのか、ネタバレしていきたいと思います。

もうこの第8週は青春やね・・・。

熱き想いと腐りかけた裕一の奮闘をとくとご覧あれ!!

先生

朝ドラ「エール」第8週のあらすじネタバレ「紺碧の空」

久志(山崎育三郎)の入れ知恵で、古山家に早稲田大学の応援部の団員たちが押しかけてくる。

野球で慶応大学に勝つための新しい応援歌の作曲をしてほしいという依頼だった。

引き受けたもののなかなか曲が書けずに行き詰まり、周りの人間にあれこれ言われていらだつ裕一(窪田正孝)。

音(二階堂ふみ)は書き置きを残して豊橋に帰ってしまう。

早慶戦の試合が迫る中、音は裕一が作曲するためのヒントを求めて団長・田中隆(三浦貴大)を訪ねる。

朝ドラ「エール」第8週36話のネタバレ

「こんたびは、わが応援団の新しか応援歌作曲ばお引き受けいただき、ありがとうございます!」

と言い、田中隆(三浦貴大)率いる応援団員たちがやってきた。

裕一は何の話かさっぱりわからない。

「フレー、フレー、古山!」

と裕一(窪田正孝)にエールが送られる。

大騒ぎの最中、隊列を組んだ団員たちの向こうに音(二階堂ふみ)の姿を見つけ、これはどういう事なのかを音に聞く。

音が返事をするより先に、田中が団員達に呼びかける。

「よし!景気づけに、いつもんいくばい!」

抵抗する間もなく裕一は担ぎ上げられ、胴上げされた。

裕一が「やめで」と叫ぶと、団員たちは一斉に手を止め、裕一は宙を舞いながら床に落ちた。

その後、裕一と音は応援団員たちを居間に招き入れ、田中から話を聞いた。

どうやら、早稲田大学野球部は慶應義塾大学野球部に十一連敗し、応援団の面々は意気消沈しているとのこと。

早慶戦の名で知られる両行の試合は、明治三十六年、早稲田の野球部が慶應の野球部に挑戦状を出したことから始まり、一時は両校の応援が盛り上がり過ぎたため、中止になるも、「東京六大学野球」の創設をきっかけに復活し、ラジオの普及に伴って空前の人気を呼び、国民的関心事となっていた。

早稲田の十一連敗は、慶應が新しい応援歌「若き血」を採用した頃から始まった。

そのため、田中は団員たちを前にこう宣言した。

「俺らにも、新しか応援歌が必要ばい。今までんお行儀よか歌やなか。」

「心ば湧き立たせる歌が必要ったい!」

早速、学生たちに向けて作詞の募集を行い、当時早稲田大学教授であった詩人の西條八十に選考を依頼した。

その結果、高等師範部三年生の住治夫が作詞した「紺碧の空」が選ばれた。

すぐにでもこの歌詞に曲をつけなくてはならない。

次の早慶戦は二週間後に迫っていた。

誰に依頼するか大学の事務局に相談してはどうかという意見も出たが、田中は却下した。

「また大御所の先生になる。」

「もっと若き血潮たぎっとう者がよか。」

「誰か、そげんやつ知らんね?」

すると団員の佐藤幸太郎が挙手した。

「私のいちこに、音楽学校に通っているやつがいます」

佐藤のいとこは、久志(山崎育三郎)のことだ。

応援団一同はさっそく久志のもとを訪ねた。

事情を聞いた久志は、裕一に作曲させるべきだと考え、それを音に伝えた。

「応援歌か・・・裕一さん、やるかしら?」

「あいつ、このままじゃだめになるよ」

久志の助言を受け、音は裕一の了解を得たうえで応援団と会わせようと考えていた。

ところが、田中たちが予告もなく古山家に押しかけてきてしまったのだ。

裕一は、レコード会社の曲も作れずにいる事から、断るも、田中は一歩も引かずに、深々と頭を下げる。

「そこばどげんかして!お願いします!」

迷い始めた裕一は、音に意見を求める。

「あたしはやるべきだと思う」

音は久志からこう聞いていた。

早稲田大学にはすでに応援歌が五曲あり、それらは有名作曲家が曲をつけている。

「小山田先生も作っとるから。先生と同じ土俵に立つってことじゃん!名誉なことだよ!」

その言葉で裕一の心が動いた。

ただし、早慶戦前に練習時間が必要なため、締め切りは十日後に迫っている。

「・・・わがりました。やります」

朝ドラ「エール」第8週37話のネタバレ

裕一とは対照的に、木枯(野田洋次郎)は人気作曲家の道を歩み始めていた。

裕一が廿日市(古田新太)と話そうとコロンブスレコードの副調整室に行くと、スタジオ内では木枯のギターに合わせて歌手の山藤太郎が軽快に歌っていた。

曲は木枯の新曲「丘を越えて」だ。

録音が終わると、廿日市は裕一と山藤を引き合わせた。

「こちらの山藤さんはねぇ、慶應義塾から東京音楽学校の声楽科のエリートだから」

「け、慶應がら東京音楽学校ですか?なのに、なぜこんなごどを?」

「家庭の事情でね、お金が必要なのです。なので、山藤太郎も偽名です。」

廿日市は、流行歌を見下すような裕一の言葉を聞き逃さなかった。

「なぜこんなことをって何?古山君?返答しだいによっちゃ、俺、怒るよ」

剣呑な雰囲気を察したのか、木枯が話に割って入ってきた。

「廿日市さん、ごはん食べに行きませんか?お腹すきました」

「」は~い。銀座煉瓦堂のオムライスは、いかがですか?山藤君も行こう

立ち去り際、木枯は裕一に声をかけた。

「後で、サロンにいて」

静かになった副調整室で、裕一は技師の小田和夫に話しかけられた。

「君みたいな人いっぱい見てきたよ。己にこだわって、才能を生かせない人」

何も言い返せないうちに小田は去っていった。

裕一がサロンで応援歌の構想を練っていると、食事を済ませた木枯と山藤がやって来た。

木枯は、

「君の曲は山藤さんに合うよ。いつかぜひ一緒にやってほしいなぁ」

と言われ、礼を言う裕一。

その時、山藤が裕一の譜面に書かれた「早稲田大学第六応援歌」の文字に気づいた。

「あれ?これ?」

「早稲田の応援歌を頼まれまして、慶應の「若き血」に必ず勝てど言われでます」

「「若き血」は、僕が塾生時代に生まれたました。応援団に歌唱指導したのは、僕です」

意外なつながりに、裕一は驚いた。

「「若き血」が応援歌になって以来、わが慶應義塾は早稲田に連戦連勝です。勝つのは容易ではないですよ」

いざ作曲に取り掛かると、裕一はすぐに行き詰った。

一般的な応援歌の形に引っ張られ、思い浮かぶのはありきたいりなメロディーばかりだった。

バンブーで保(野間口徹)にその話をすると、意外な事を言われた。

「ありきたりじゃまずいの?裕一君が書けないのはさぁ、自分の音楽を作ろうとしてるからじゃないかなぁ。」

「僕がコーヒーをブレンドするときに考えるのは、お客さんの顔なわけ。」

「これを飲んだらどんな反応するだろうとか。だから、あの団長の喜ぶ顔か歌う姿か想像すると、メロディー出てくるかなと」

帰宅後、裕一は音に不満を漏らした。

「い、意味わかんないよ!僕が作んのに、どうして自分の音楽作っちゃいげないの?」

「マスターは、客商売だがらこびないとやっていけないがもしれないげど、僕の仕事では意味ないよ」

「難しいね・・・。廿日市さんにも言われた。裕一さんの音楽は、西洋音楽にこだわってるって。」

「作ってくる曲が・・・これは廿日市さんの言い方なんだけど・・・鼻につくって。」

「普通に盛り上がればいいメロディーも、なんか・・・」

「何?」

「こざかしい知識をひけらかして曲を台無しにしとるって。」

「一年間、一枚もレコードになっとらんのは事実だし、何か変えんとまずいと思う」

「何それ?ほ、ほ、本当だったら今頃、イギリスで音楽の勉強してるはずだったのに、東京の隅っこで大衆曲ど応援歌の曲作ってんだよ。」

「もう変わってるよ。それでも何とが自分の音楽を表現しようど頑張ってんだよ!じ、じ、自分の音楽は捨てない!捨てだら意味がない」

二人の意見は衝突し、重苦しい沈黙が流れた。

「もういい。明日からごはんは作りません。自分で勝手にやってください」

音の態度に裕一は一層腹を立て、夕食後は一人で書斎に籠った。

「どいつもこいつも、僕に何を期待してんだよ!人には得意不得意があんだろうに・・・」

いらついて室内を歩き回るうちに、裕一はひらめいた。

「よし、こうなったら・・・」

机の引き出しからクラシック用の五線紙を取り出し、裕一は目を閉じてメロディーが浮かんでくるのを待った。

翌朝も夫婦喧嘩は続いていた。

だが、音は内心、裕一が心配でたまらず、学校で久志に相談をした。

「裕一さんがこのままだと・・・心配です。才能を無駄にして人生を後悔しながら生きてほしくないんです」

「・・・応援歌を作る事で、何かが変わる。応援歌は、文字通り、人を元気づける歌だからね」

そう言って、久志は音にウインクをした。

その後、バンブーで恵(仲里依紗)にも相談するが、変わるのは自分の問題だから・・・と言われた。

音は恵から、徳川家康の遺訓が書かれた紙を渡された。

そこにはこうあった。

「人の一生は重荷を負いて遠き道をゆくが如し いそぐべからず 不自由を常と思へば不足なし 心に望みおこらば困窮したる時を思ひ出すべし 堪忍は無事 長久の基 いかりは敵と思へ」

裕一は書斎のドアに「何人も入るべからず」の張り紙をして音を寄せ付けず、食事の時間には納豆攻撃を続けていた。

朝食だけでなく夕食にも納豆を食べて挑発したが、音はそれには乗らず、家康の言葉に従って怒りをこらえ、裕一がみずから変わる事を信じて静観し続けた。

その間に裕一は曲を書き上げた。

といっても早稲田の応援歌ではない。交響曲だ。

タイトルは「反逆の詩」。三日三晩徹夜で書き上げた譜面の表紙に、裕一はサインを書き入れた。

朝ドラ「エール」第8週38話のネタバレ

裕一が交響曲を書いていたとも知らず、応援団の面々は応援歌の完成を今か今かと待っていた。

そんな中、大学の事務局長が部屋を訪ねてくる。

応援団が新しい応援歌を作ろうとしていると聞きつけてのことだった。

団長の田中が無名の裕一に作曲を依頼したと聞くと、事務局長は眉をひそめた。

「おいおい、それは困るね~。学校の応援歌を勝手にやってもらっちゃあ。」

「曲はわれわれが選んだ人に作ってもらいます」

それでは秋の早慶戦には間に合わない。

田中にとっては今度が最後の早慶戦なのだ。

団員の小熊がそう訴えても、事務局長の反応は冷たかった。

「学校のことに個人の思いなど挟まる余地はなし。私が、日本で最高の作曲家・小山田先生に頼んであげましょう」

一方的に言って、事務局長は去っていった。

するとどういうわけか、田中が高笑いした。

「ハハハハハ。これで俺ん腹は決まった!古山裕一と心中ったい!何がどげんなろうと早稲田第六応援歌ば、今度ん早慶戦で歌うばい!」

「この歌は、早稲田の歴史ば変えるばい!俺は、そげな予感がするとよ・・・」

裕一は小山田(志村けん)の自宅を訪ねていき、「反逆の詩」の譜面を見せた。

自分の才能を証明したい一心での行動だった。

譜面をめくる小山田を前に、緊張して反応を待っていると、ふっと小山田が笑った。

称賛の言葉を期待して裕一は身を乗り出す。

ところが小山田は「で?」と言ったきり、黙ってしまった。

頭が真っ白で何も答えられずにいると、小山田は裕一に譜面を返して書斎から出ていった。

その日、裕一は夜九時を過ぎても帰宅しなかった。

不安になった音が張り紙を無視して書斎に入ると、散らかった室内にクラシック用の譜面が落ちていた。

「何してんの?」

いつの間にか裕一が帰ってきていた。

「ごめんなさい。遅いから心配になって」

「そう・・・ただいま」

音が勝手に部屋に入ったことを怒るわけでもなく、裕一は卓上ピアノの前に座った。

ところが、弾き始めようとはしない。

音が一層不安になっていると、突然不協和音が響いた。

裕一がピアノをめちゃくちゃに弾いている。

慌てて音が止めると、裕一は逆らわなかった。

「どうしたの?」

「音、僕、だめだ。何もない人間なんだ」

それだけ言って、裕一は涙を流す。

音は、背中から裕一を優しく抱き締めた。

翌日は日曜日だったが、音は学校へ行った。

ふだんと違って校内静かで、庭のベンチに座り空を眺めて考え続けた。

「あたしに何ができるんだろう・・・」

そのとき、校舎のほうからかすかに歌声が聞こえてきた。

気になった音は、声のするほうへ向かってみた。

廊下を進むと、歌声が大きくなっていく。

それは、音の人生を変えた人の声だった。

教会の音楽会で聴いたこの歌声が、音を声楽の道へと進ませた。

窓越しに教室をのぞくと、双浦環(柴咲コウ)が一人練習に励んでいた。

「どうして?どうしてここに・・・」

人の気配に気づいた環がこちらを見たので、音は慌ててしゃがみ込んだ。

そのころバンブーでは、応援団員の佐藤が憔悴した顔でテーブルについていた。

ここで待機しながら、たびたび裕一の様子を見に行っているのだ。

「失礼します!」

大きな声と共に田中が入ってきた。十人ほどの団員も一緒だ。

「佐藤!まだね?」

田中に問われ、佐藤は緊張の面持ちで答えた。

「まだであります!」

「お前のせいやなか。様子ば見てきぃ」

「はい!」

佐藤が飛び出していくと、田中は保にミルクセーキを注文し、団員たちにもふるまった。

うまそうにミルクセーキを飲む田中を見て、小熊が小声で言った。

「団長は、なんで機嫌がいいんだ?」

隣に居た村田も声を落として返事をする。

「心配を悟られないように、みんなを不安にさせないようにと、団長も気を遣ってるんだよ」

保も交えて団員たちが裕一の話をしていると、制服姿の上品そうな男子学生が入ってきた。

「御園生・・・何しに来たとね?」

慶応義塾大学応援団団長の御園応新之助は、田中にとがった視線を向けられても平然としていた。

「噂を聞きつけましてね・・・なんでも新しい応援歌を作ろうとしているとか?」

席に着くと、御園生は保にブラックコーヒーを注文した。

「何やブラックって?」

ブラックの意味がわからない田中を、御園生があざ笑う。

アメリカ留学経験を鼻にかけた御園生は、日頃から早稲田の面々を見下していた。

「僕はね、常に本物を本場で学んできました。いいですか?」

「「若き血」を歌いだして慶應義塾は連戦連勝だ。しかし事はそう単純ではない!」

「私は戦略を練っているのです。あなた方がいくら新しい応援歌を作ろうが、そこがなければ結果は同じことだ。」

「それをあなたでできますか?福岡の田舎から来た大声だけがとりえのあなたに!」

「団長をばかにするな!」

怒りをこらえきれなくなった小熊が御園生に飛びかかったが、瞬く間に腕をひねられてしまう。

「アハハハハハハ、力任せ。これこそがあなたたち早稲田だ。もうそんな時代じゃない!」

小熊は投げ飛ばされ、応援団員たちが気色ばんだ。

一触即発の空気の中、恵(仲里依紗)が御園生に言う。

「あなた、負けるわよ」

「なぜだ?」

「だって、この人たち、底抜けのばかだから・・・」

愚直に、まっすぐ突き進む強さを持つ者は、理屈を超えて人の心を動かすのだと恵は言う。

「どいつもこいつも・・・まあ、いい、戦いを楽しみにしてる」

御園生はそう言うと、店を出ていった。

その後、佐藤が戻るのを待たずに、応援団一同は古山家を訪ねた。

「失礼します!先生、書けましたか!?」

「ううん、一音も書いでない」

「ええっ、あと、三日しか残っとらんとです」

「僕は書げない。ほがの人に頼んでください」

「先生、俺らは慶應に勝ちたた。やつらの応援歌ばしのぐ歌が必要とです」

そこに音が帰ってきた。

「どうしたの?何事?」

裕一は、田中に向かって尋ねた。

「応援歌って・・・勝ぢ負げに関係ありますか?早稲田が負けんのは、ただ弱いがらですよ。」

「実力不足です。僕もそうです。曲が採用されないのは、力がないがらなんです。ただそれだげです」

そう言い残して裕一は書斎に籠ってしまった。

「・・・俺のせいばい、全部俺がふがいないけんたい、すまん」

田中は団員たちに向かって頭を下げた。

何とかしなくては。

必死に考えた末、音は翌朝、「豊橋に帰ります」と置手紙をして家を出た。

朝ドラ「エール」第8週39話のネタバレ

1年ぶりに豊橋の実家に帰ると、吟(松井玲奈)と鏑木がいた。

二人は結婚を決め、鏑木が光子(薬師丸ひろ子)に挨拶に来たのだ。

光子と三姉妹、鏑木が居間にそろうと、音は、裕一が抱えている問題を皆に話した。

「このままじゃ裕一さんが裕一さんじゃなくなる」

「・・・鏑木さん、どう思います?」

光子に問われて、鏑木が口を開く。

「私は軍人ですし音楽の世界は存じませんが・・・軍人が命を懸けて戦えるのは、誰かのためだからです。」

「祖国、両親、友人、戦友のために戦うのです。裕一さんは、どうですか?」

結婚前に豊橋に来た時、裕一は音のために曲を書いていた。

だが今は到底そうとは思えない。

「誰かのために作っとらんから、うまくいかんのじゃない?」

光子の言葉を音はかみしめた。

「・・・誰かのために・・・か・・・」

古山家では、音の置手紙に慌てた裕一が、久志(山崎育三郎)を呼び出していた。

「こんなことで呼び出したの?音さんは、家出しないって」

「してんじゃないが!豊橋に今がら行ぐ」

久志は裕一を引き止め、なぜこうなったのかと尋ねた。

「僕が、早稲田の応援歌を断ったがらだど思う。か、か、書がないんじゃない。書げないんだ。」

「いや、西洋音楽なら書けるんだ。人がら依頼されだものが書げないんだ」

裕一は「反逆の詩」の譜面を久志に見せた。

「三日で書いだ。小山田先生に、見せだんだ」

しかし、小山田の反応は冷酷だった。

「そこまで悪くはないと僕は思うぞ。これは預からせてくれ。ほかの先生にも見せてみる」

「まあ、いいげど・・・そ、そ、それより音だ・・・どうしよ」

「応援歌が原因なら、応援歌を書くしかないだろう」

「だから書げないんだって」

「彼女を取り戻せるとしてもか?」

痛いところを突かれて、裕一は押し黙った。

久志はその晩、古山家に泊まった。

翌日、朝食を取りながら裕一が久志に尋ねた。

「音って、実力どうなの?」

「学年で二番目だ。一番との間はかなり開いているがな」

「へえ~そんなすごい人がいんの?」

「環の再来だって言う人もいる。僕はそう思わないが・・・」

「双浦環かあ・・・オペラ作ってあんな人に歌ってほしがったなあ」

「おいおい、作曲やめるようなことを言うな」

「ありがと。昨日あれがら努力してみたんだげど、書げながったんだ。もう無理だよ」

そのころ、音はすでに東京に戻り、早稲田大学応援部の部屋を訪ねていた。

「あなたしかいないの!あなたのために作ってもらうの!」

音は、田中の口から裕一に応援歌への思いを伝えてほしいと頼み込む。

「今の裕一さんには、心に響く言葉が必要なの!」

「俺は、頭も悪かやし口下手ですけん」

「わかっとる!口下手でいいの!早稲田の勝利、古山家の未来、古山裕一の音楽人生もすべて、あなたの双肩にかかってます!頑張って!」

説き伏せられて、田中は古山家にやって来た。

「先生!話があるったい!」

「し、試合明日でしょ。諦めでください・・・」

「そげんわけにはいかんったい!早稲田が負け続け、応援部の仲間は、皆辞めていきました。応援する気持ちば持ち続けるのは、難しかです」

「団長は、どうして辞めながったんですか?」

「俺は・・・九州の片田舎に生まれました。五人兄弟の末っ子で甘やかされて育ちました。中学時代は、野球ばしとって、甲子園に行けるかと期待されておりました。」

「その原動力が清水誠二でした。清水は幼いときから一緒に遊び、ずっとバッテリーば組んどった親友でした」

ある日のことだ。

雨上がりに出来たぬかるみを避け、田中と清水はグラウンドの隅でキャッチボールをした。

「そのとき、俺は・・・、ふざけてわざと遠くにフライば投げました・・・。」

「清水はその球ば捕ろうとして、溝にはまったとです。足に深か切り傷ば負ってしまって・・・」

町の医師が緊急手術を行ったが、麻酔がうまく効かず、清水は壮絶な痛みに苦しんだ。

「俺が、何か必要なもんは?と聞いたら、ラジオちゅうとです。早慶戦ばちょうどやってるはずやけん。痛さに耐えるために聞かせてくれちゅうとです」

ラジオから流れる早慶戦に励まされ、清水は何とか手術を乗り越えた。

しかし、足は元通りにはならなかった。

「こげな体やけん、手に職ばつけなと学校も辞めました。なんで俺は、あんときあげな球ば投げたのか・・・、しばらくたって清水に会いました。」

「しょげている俺ば見て、気にすんな、お前が元気なくなったら、俺まで元気がなくなると言うてくれて・・・」

田中は嗚咽し言葉が続かなくなり、その痛々しい姿に裕一も涙した。

「俺は、俺にできることはなかね?と聞きました。清水は、言うたとです。」

「別になかっちゃけど、強いて言うたら早稲田勝たせてくれや。それがいちばんの楽しみやけんち言うたとです。」

「俺はそんとき、気づいたとです。野球ば頑張っとう人のラジオば聞いて、頑張れる人がおる。」

「頑張ることは、つながるんやって、そしたら俺にできることは何か。」

「選手が活躍するよう応援するしかなかって思って、清水もラジオでお前の応援聞くけんち言うてくれて、なのに・・・全く勝てん・・・清水に申し訳のおて」

「・・・どして、僕なんですか?」

「俺は器用なやつは好かん。先生は不器用やけん」

裕一が過去に大きな賞を取っていることを田中は知りもしなかった。

「あの・・・先生は、なんで音楽ば始められたとですか?」

改めて問われて、裕一は思い出した。

小学校の運動会の徒競走。

ハーモニカのメロディーと、皆の応援に励まされて裕一はゴールした。

「団長・・・僕は・・・忘れでだ・・・。自分ばっかし見で、周りに人がいるごどを忘れでました。」

「み、みん、みんな僕のごど心配して声かけてくれでだのに、その声を僕はずっと無視して・・・」

「先生、書いてください!清水のために!」

「・・・明日までだよね?」

「はい!」

裕一と田中はしっかりと握手を交わした・・・。

朝ドラ「エール」のモデル古関裕而の留学話は本当?息子から見る古関裕而とは

もう涙涙やで・・・。

田中ぁ、あんたの気持ちを裕一は受け取ったで!

先生

朝ドラ「エール」第8週40話のネタバレ

田中(三浦貴大)の思いを受けた裕一(窪田正孝)は、あっという間に第六応援歌「紺碧の空」を書き上げた。

譜面を田中に渡して出社すると、木枯(野田洋次郎)から録音室で話をしようと言われる。

すっかり売れっ子の木枯は、サロンにいると次々に声をかけられ、落ち着いて話もできないのだ。

「いろいろ聞いて、心配してたんだ。大丈夫?」

「うん、もう一度頑張ってみようがど思ってる」

「そう、よかった」

「・・・君は曲書く時、誰がを思い浮かべで書いでる?」

「当然だろう」

「そうが・・・。ぼ、僕は・・・ずっと自分を見てだんだ。ただひたすら自分を。」

「空っぽって感じでだあのとき、実際は、僕の頭は僕でいっぱいだったんだ。自分の力を示すごどに固執してだんだ。」

「そんな独り善がりの音楽が伝わるわげないよ。・・・どはいえ、これがら、何をどうしていいが分かんないんだげど」

「誰かを思い浮かべるんだろう?目を閉じてみたら」

言われるままに目を閉じると、裕一の脳裏にある人物の顔が浮かんだ。

「あ!ああ!ああああああ!」

天啓を受けたような顔で裕一は言う。

「これまでのやり方じゃだめだ。今思いついだごどやってみるよ」

早慶戦三連戦の初日、早稲田大学応援部の面々は事務局長を部屋に監禁するという暴挙に出た。

小山田に応援歌の作曲を依頼している事務局長が、裕一の曲を応援に使うことを妨害する可能性があるためだ。

「ラジオばかけときますけん、試合が終わるまで辛抱しとってください」

縛られ猿ぐつわをされた事務局長はあらがうことができない。

田中は、団員たちを見渡し呼びかけた。

「この三年間の屈辱ば晴らすときが来たと!「紺碧の空」で「若き血」ば倒す!」

「おう!」

しかしこの日の初戦は、慶應が強打者・土井の活躍により、二対一で勝利。

二戦目は、早稲田が三原選手のホームスチールが功を奏して勝利。

一勝一敗で迎えた第三戦に日本中の注目が集まった。

試合前、裕一は応援団に歌唱指導をし、その後はスタンドで音と共に応援をした。

結果は早稲田の勝利。

その瞬間、裕一たちは観客と一体になって喜びを爆発させた。

田中の悲劇がかなった瞬間、福岡の工場の休憩室では田中の友人・清水が仕事仲間たちとラジオ中継を聞いていた。

つえをつき、持ち場へと戻る途中、清水がつぶやいた。

「あいつ、正月帰ってくるっちゃろうか」

再び休憩室に戻ったとき、清水は自分のロッカーの奥から野球のボールを取り出した。

試合後、音と裕一は自宅裏のラーメン屋台に行った。

「鳥肌まで立っちゃった。すごかったね」

「話では聞いてたげど、実際に体験すっと全ぐ違った」

勝利の喜びを語り合ったあと、裕一がポツリと言った。

「・・・あのさ、ごめん。音の言うごどに耳を貸さないで。ありがとう」

「いいの。裕一さんがまた音楽に向き合ってくれて、あたしうれしかった」

「俺さぁ、音のごどがもっと・・・」

「え?何?言ってよ、ねぇ」

「音のごどがもっと・・・す・・・き・・・」

「せんせーい!」

田中の大声と共に、応援団一同が駆けつけた。

「お、おめ、おめでと、団長」

「先生のおかげです!静まり返っとった学校が大騒ぎになっとうそうです。早稲田ば救ったのは先生です!」

「それでは、最後に、全く曲が採用されん先生にエールば送りたかと思います!」

さっと団員が隊列を組み、田中が声を張り上げた。

「今度こそーーー、作った曲がーーー採用されることをーーー祈願してーーーフレー、フレー、古山!それ」

「フレ!フレ!古山!フレ!フレ!古山!」

「続きまして、音さんがーーー、プリマドンナになることをーーー祈願しましてーーーフレー、フレー、音さん!それ」

「フレ!フレ!音さん!フレ!フレ!音さん!」

「では、お二人へのエールを込めましてーーー歌います!「紺碧の空」!」

紺碧の空仰ぐ日輪 光輝あまねき伝統のもと

すぐりし精鋭闘志は燃えて 理想の王座を占むる者われ等

早稲田 早稲田 覇者 覇者 早稲田

第六応援歌「紺碧の空」は、程なくして早稲田の第一応援歌へと昇格した。

朝ドラ「エール」第9週のあらすじネタバレ「東京恋物語」

「紺碧の空」で自信を取り戻した裕一(窪田正孝)は、福島で新聞記者をする鉄男(中村蒼)を呼び出す。

自分が曲を作って久志(山崎育三郎)が歌うので、詞を書いてほしいと頼む。

一方、音楽学校の記念公演のヒロイン役最終選考に向けて、音(二階堂ふみ)は男女の機微を学ぶために男女の社交場のカフェーで働くことにする。

心配した裕一に頼まれて店に様子を見に来た鉄男は、そこで店員の希穂子(入山法子)を見て驚くのだが・・・。

このようなあらすじになっています。

いったい第9週で巻き起こる東京恋物語とは?

鉄男と希穂子になにか!?

先生

第9週のネタバレへ続く。

 
【第9週41話はこちら】

朝ドラ「エール」第9週41話あらすじネタバレ

 
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朝ドラ「エール」第7週ネタバレ!新婚生活で特大夫婦喧嘩をした理由
 

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