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朝ドラ「エール」第6週ネタバレ!権藤家の企みと裕一の決意

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朝ドラ「エール」第6週ネタバレ!権藤家の企みと裕一の決意

朝ドラ「エール」第6週のあらすじ・ネタバレを紹介していきたいと思います。

「エール」の第6週では、ルンルン気分で福島に戻った裕一(窪田正孝)に衝撃が走ります。

なかなか物事が思うように進まない・・・そんな状況を裕一は抜け出せるのか!?

第6週で裕一に何が起こるのか、ネタバレしていきたいと思います。

この第6週は、裕一にとってこれまでにないくらいの試練の時です。

この試練を乗り越えられるのか!?

先生

朝ドラ「エール」第6週のあらすじネタバレ「ふたりの決意」

豊橋での演奏会を終えて、裕一(窪田正孝)は意気揚々と福島に帰るが、音(二階堂ふみ)との結婚を認めないまさ(菊池桃子)や浩二(佐久本宝)たちの気持ちを初めて知り、将来の選択について心が揺れる。

そんな折、イギリスから国際郵便が届く。

それは裕一の海外留学についての衝撃の知らせだった・・・。

音楽の道から離れようとする裕一に対し、夢をあきらめてほしくない音は、東京でレコード会社に裕一の売り込みを開始する!

朝ドラ「エール」第6週26話のネタバレ

豊橋のホールでの演奏会を無事終えた裕一(窪田正孝)は、三郎(唐沢寿明)からの電報を受けて福島に帰る。

あきらめかけていた英国への留学が決まり、音(二階堂ふみ)との結婚も決まり、幸せいっぱいの裕一。

福島の喜多一では、三郎、まさ(菊池桃子)、浩二(佐久本宝)だけでなく、茂兵衛(風間杜夫)も裕一の帰りを待っていた。

一方、音はあこがれの歌手に向けての第一歩の音楽学校の受験日を迎えていた。

幸せいっぱいで福島に戻った裕一だったが、家族の反応は思いもよらぬものだった。

まさは、留学するのに結婚は必要?

裕一の目指す世界はすべての時間を捧げたとしても一流になれるのはごく一部の人・・・と言われ、裕一は

「その力の源が音なんだ・・・音がいないと曲が書けない・・・」

と言うと、浩二に笑われ、浩二に胸の内の不満を明かされるのだった・・・。

朝ドラ「エール」第6週27話のネタバレ

数日後、音楽学校の実技試験を翌日に控えた音(二階堂ふみ)は、落ち着かない気持ちでいた。

不安の種は試験だけではない。

東京に来てから一度も、裕一(窪田正孝)から連絡がこないことも気がかりだった。

そんな音に吟は、いったん裕一のことは忘れて歌の練習をしてきたほうがいいと勧める。

音は公園へ行き、試験の課題曲を歌い始めた。

一節歌い終えると、こちらに背を向けてベンチに座っている男性(山崎育三郎)が話しかけてきた。

「体は楽器だ。もっとリラックスして体全体を使わないとだめだよ」

戸惑う音に、男性はアドバイスを続ける。

「君は、力んで猫背になる悪い癖がある。」

「体を開いて、視線を少し上げてごらん」

こちらを見てもいないのに・・・と思ったが、言われたとおりにしてみると、声が出やすくなった。

「あ!いい感じです!」

声をかけたときにはもう、男性の姿は消えていた・・・。

その日、裕一は藤堂(森山直太朗)に会いに小学校を訪れた。

久しぶりに歩く校庭は、昔よりもずっと狭く感じた。

「留学の話、またもめているのか?」

「いえ、それは認められているんですが、実は僕・・・」

音との結婚を許してもらえないのだと、裕一は打ち明けた。

「弟は、勝手だ、甘えてる、嫌いって言われまして。」

「弟の気持ちに全ぐ気づけでませんでした」

「身近な人の気持ちって気づきづらいよな」

「先生が、もし今の僕の立場だったらどうしますか?」

「そうだな・・・どちらかを選ぶな。俺は、お前に世界で一流と認められる作曲家になってほしい。」

「その最後に残された唯一の道だ。家族の気持ちもある。」

「つらいかもしれないが、最善の選択をしてほしい」

裕一は、藤堂の言葉をまみしめながら帰宅した。

そして、自室に籠り、音への手紙をつづった。

翌日、音は音楽学校の実技試験を終えて帰宅するなり、吟に尋ねた。

「連絡来とらんよね?」

「来とらんよ」

がっくりして座り込んだ音に、吟は一通の手紙を見せた。

「これ以外には」

差出人は「古山裕一」とある。

音は大喜びで手紙に接吻し、封を開けた。

だが読み進めるうちに、顔色が変わった。

震える手で便箋をめくり、最後の一行を目にすると、震えが止まらなくなった。

「別れてください。夢を選びます。古山裕一」

「音、しっかり、何かの間違いよ」

震える音の体を、吟は必死で抱き締めた。

その後、音は連日、裕一に宛てて手紙を書き続けた。

だが、作曲の締め切りに追われる裕一は、音の手紙を開封せず、自室の本棚にためていった。

「あと五日・・・やらなきゃ、やらなきゃ、音さんを捨てだんだ、頑張んなきゃ、みんなのためにも、一流にならないと、意味がないんだ」

そう自分に言い聞かせたが、曲は一向に浮かんでこない。

迷った末に裕一は、本棚から手紙の束を取った。

すべて音からのものだと思い込んでいたが、一通だけイギリスからの国際郵便が交ざっていた。

開けてみると、英語でこう記されていた。

「世界的な不況のため留学制度を一時中止します。」

「ついては残念ではありますが、あなたの留学は取り消しとなりました」

愕然としたまま居間へ下り、裕一はその手紙を三郎に渡した。

英語がわからない三郎に代わって浩二がそれを読み、裕一の絶望を知った。

「兄ちゃん・・・」

裕一は返事もせずに自室に戻り、怒りに任せて本棚をなぎ倒した。

本や譜面が散らばった室内で放心していると、三郎、まさ、浩二がやって来た。

「家族のこと顧みながった報いなのがな?期待させでごめんね」

まさは耐えきれずに嗚咽し、浩二はつらそうに目を伏せた。

三郎は、気力を失って横たわった裕一に語りかけた。

「諦めんな。藤堂先生だって、諦めなきゃ何とがなるって言ってだじゃねえが」

「いいんだ。もう終わり。すべて終わりだ」

そう言って裕一は目を閉じた。

その晩、三郎は音に宛てて手紙を書いた。

裕一の上京を書き記して関内家に送ると、受け取った光子が読み、すぐに東京の音のところへ届けた。

「裕一の留学が取り消しになりました。世界的な不況による経済状況の悪化が原因です。」

「裕一は打ちのめされています。自身が別れを告げたあなたに、このような手紙を書くことは、筋が違うかもしれませんが、知らせずにはおれませんでした」

読み終えると音は、福島に行こうと決めた・・・。

朝ドラ「エール」第6週28話のネタバレ

仕事があるとからと、川俣に戻ろうとする裕一を、浩二(佐々木宝)が引き止めた。

「まだ仕事なんていいよ。家にいろよ」

「ここにいでもするごどないし、戻るよ。喜多一は、お前にかがってる。よろしくな」

「兄さん、つらいだろうげど、実際は賞をもらう前に戻っただげだ。兄さんは、茂兵衛伯父さんの子どもになる。」

「俺は、古山家を継ぐ。これが家族にとっていちばん幸せなんだ。な、兄さん、そうだろ?」

「お前の言うとおりだ。お前は子供の頃がらいつも間違ってない。じゃあな」

裕一(窪田正孝)が出ていったあと、程なくして音(二階堂ふみ)が現れた。

いち早く気づいた三郎(唐沢寿明)は、慌てて音を店の外に連れ出した。

「家はまずい。息子をたぶらがす怪しい女ど思われでる」

「はあ?誰がですか?」

音は腹を立てたが、裕一が川俣に向かったと聞かされると、すぐに後を追った。

音は川俣銀行に駆けつけたが、そこに裕一の姿はなかった。

「文通相手の人?」

昌子に聞かれて、音が答える。

「はい。こっちに向かうバスには乗っとったらしいんです」

松坂がバス会社に問い合わせてみたところ、裕一はバスを降りたあと、教会のほうに歩いていったことがわかった。

教会に飛んで行った音は、建物に入ってハッとした。

幼い頃、父の出張について川俣に来たときの記憶がよみがえってきたのだ。

「音さん・・・」

オルガンの陰から裕一が姿を現した。

「裕一さん、ここ、あたし、来たことある。」

「子供の頃、お父さんに連れられて来た。飛び入りで歌った。ここで」

壇上に上った音を見て、裕一の脳裏にも、その日の記憶がはっきりとよみがえった。

楽しそうに歌っている女の子に、裕一はすっかり心を奪われた。

あの少女が音だったとは・・・。

「あの時、出会ってだんだ・・・。ここで、歌う君を見てたんだ」

二人の思い出が一つになり、音の顔に笑みがこぼれた。

だが、音はすぐに、裕一が残酷な状況に置かれていることを思い出した。

「大丈夫?」

裕一は、黙って首を横に振った。

「僕はひどい男だ。あなたを捨て、留学することを選んだ。あなたに会う資格はありません」

「勝手に決めんで!あたしのこと嫌いですか?」

「ぼ、ぼ、僕は、もう銀行員として働くしかない。あなたが期待するような人間じゃないんです。」

「僕を忘れて、一流の歌手になってください」

「運命だよ。小っちゃいときに出会って、また出会って、今、また出会って、音楽だってそうだわ。」

「また出会うよ。音楽は、裕一さんをほっとくはずがない!」

「ぼ、ぼ、僕は、音楽を一心を懸けるべきときに、あなたの愛を求め、家族の思いを顧みず、自分に与えられだ幸運に感謝しなかった。」

「も、も、もし音楽の神様がいんなら、僕は見捨てられたんです。もう取り戻せません。」

「自分を責め過ぎです。時期が悪かっただけです」

「つらいんです。何もかも忘れたいんです。ほっといてください!」

「・・・僕は・・・弱い人間です」

出て行こうとする裕一の背中に向かって、音が叫ぶ。

「裕一さん!あたし、絶対諦めんから!何とかするから、待っとって!」

だが、裕一は黙って去っていった。

残された音は祭壇に向かい、ひざまずいて祈った。

「お父さん、どうしたらいい?教えて・・・」

音はその後、音楽学校から合格通知をもらったが、裕一が音楽の道に戻る手立てを考えることで頭がいっぱいだった。

しかし、田舎から出てきた小娘によい案が浮かぶはずもなく、時間だけが過ぎていった。

三郎から時々、裕一の近況を知らせる手紙が届いた。

それによると裕一は、仕事はしているが笑わなくなったという。

そして縁談話が進んでおり、結婚が決まれば権藤家の養子として後を継ぐと書かれていた・・・。

朝ドラ「エール」第6週29話のネタバレ

十月のある日、音(二階堂ふみ)が現は、吟(松井玲奈)の五回目の見合いに同席した。

相手は陸軍の軍人・鏑木智彦だ。

鏑木の叔父がレコード会社で働いていると知って、音は思わず叫んだ。

「それだ!その方、紹介していただけますか?」

翌日、音は「コロンブスレコード」という会社を訪ね、鏑木の叔父の廿日市誉(古田新太)に「竹取物語」の譜面を渡した。

「国際作曲コンクールで二位ですよ。すごいでしょ?」

「すごいな~」

「ありがとうございます!」

「うちじゃ要らないな~。金にならないもん。もっとわかりやすくないと」

当時のレコード会社は、作曲家と専属契約することが一般的だった。作曲家は契約金をもらい、その会社のためだけに曲を書く。

音は裕一(窪田正孝)のためにコロンブスレコード以外の会社も訪ね歩いたが、すべて断られてしまった。

落胆しているところに、光子(薬師丸ひろ子)が上京してきた。

吟が、鏑木に会ってほしいと光子を呼んだのだ。

音が、裕一の専属契約の件を諦めようとしていると知ると、光子は叱咤した。

「もう一回最初から回りなさい。裕一さんの人生を救えるのは、あなたしかいないのよ」

「でも、どうせまた、金にならんとか、難しすぎるとか・・・」

「グダグダ言っとらんで!お願いするんじゃない!契約してやるくらいの勢いで行くの!」

「このままじゃ、あなた一生後悔する。」

「そんな音を見たくない。」

「大事な人のためなら、向こうがあきれるほどやるの!諦めちゃいかん、音」

言い終えると光子はにっこりと笑った。

光子の励ましを受けて、音はもう一度コロンブスレコードを訪ねた。

廿日市の秘書の杉山あかねから冷たくあしらわれてもひるむことなく、音ははったりを言った。

「よろしいんですか?ビクトリーレコードさんと契約しますよ。イットウレコードさんもご興味を持たれてます。」

「しかしながらコロンブスレコードさんは、姉の見合いの席でご紹介された義理があるので、わ・ざ・わ・ざ、参った次第です」

「・・・少々お待ちください」

杉山が去ったかと思うと、廿日市が勢い込んでやって来た。

「こちらから連絡しようと思ってたところであります。」

「一年三千五百円。月に二曲以上を作っていただくということで、いかがでしょう?」

現在の価値で約一千万円に相当する契約金を提示されて、音は仰天した。

自分のはったりだけで話が急転したとも思えず、音は戸惑っていたが、ともかくコロンブスレコードの契約書を持って福島へ向かった。

翌朝、開店前の喜多一を訪れると、音は大きな声で挨拶をした。

「おはようございます!私、関内音と申します。朝早く申し訳ありません。」

「一刻も早く、お伝えしたいことがあって来ました!」

奥から三郎(唐沢寿明)と浩二(佐々木宝)、そしてまさ(菊池桃子)が現れた。

まさは音を客間に通し、三郎は同席させずに一人で話を聞いた。

「裕一さんに、音楽を捨てさせないでください!お願いします!」

音が懇願しても、まさは黙ったきりだ。

「もし私のことがお気に召さないなら身を引きます。」

「お母さんから見れば、留学間近の大事なときに、息子をたぶらかし、結婚を約束し、留学が取り消されたら、レコード会社と勝手に契約し、上京を勧める。」

「むちゃくちゃなことです。それでも、裕一さんに音楽を捨てて欲しくない。お願いします」

音が深く頭を下げると、ようやくまさが口を開いた。

「音さん、頭を上げて」

音の目を見つめて、まさは続ける。

「人の家ひっかき回して、楽しい?」

「・・・そんなつもりは・・・」

「ね、お願い。お引き取りください。」

「裕一は、優しくて、人に愛されて、人を恨まない、その分・・・弱い人間です。」

「彼が傷つく姿を、もう見たくない」

「諦めた今が、いちばん傷ついてます」

「それでも、離れればこれで終わります。音楽があるかぎり、裕一の心は傷つき続けます。」

「あなたも、子供を持てばわかってくれる。成功を求めて傷つくより、身の丈にあった幸せをつかんでほしいの」

「彼の身の丈は、世界にとどろく音楽家です」

「ありがとう。うれしいわ。でもね・・・選ばれた人って、そう導かれるものだと思うの。」

「留学が決まったとき、もしかしたら裕一もそんな人なのかもって思ったわ。」

「なのにね・・・世界が不況だからって取り消されて、こんな小さな国の田舎の一青年の気持ちを露ほどにも感じてない人たちに、裕一は傷つけられた・・・あの子ね・・・泣かなかったの・・・涙流してくれたら、どんなに救われたか・・・。」

「どうか、お引き取りください」

今度はまさが、深く頭を下げた。

音にはもう、反論の言葉はなかった。

この日、裕一は茂兵衛(風間杜夫)に連れられて、川俣のとある病院を訪れていた。

そこの病室で、茂兵衛の妻の絹子が十年もの間、眠り続けている。

病床の絹子が後継ぎを産むはずもないのだからと、八重は茂兵衛に、古山家から養子をもらうよう迫り続けていたのだ。

「何度か危ないときもあったが持ちこたえた」

「・・・どうして、僕をこごに?」

「お母さんになる人だろ」

確かに、養子縁組をすれば絹子は裕一の母になる。

その人の顔をよく見ようと、裕一はかがみ込んだ。

「かわいそうに・・・」

思わずつぶやくと、茂兵衛がハッとなった。

「今、動いたか?」

茂兵衛には、閉じたままの絹子の目が僅かに動いたように見えた。

「裕一、手を握ってやってくれ」

裕一は、絹子の手を優しく握った。

その姿に、茂兵衛の胸は熱くなった。

病院を出る頃には雨が降っていた。

裕一は、茂兵衛の傘を借りて下宿に帰った。

帰宅すると、三郎が裕一を待ち構えていた。

音が喜多一を訪ねてきたことを知らせに来たのだ。

「音さん、お前のために来たんだ!すぐ帰るぞ!」

肩をつかむ三郎の手を、裕一は振り払った。

「父さん・・・お願いだから、ほっといで。もう来ないでほしい。僕は権藤裕一になるんだ」

朝ドラ「エール」第6週30話のネタバレ

その後、裕一(窪田正孝)は一人で教会を訪れた。

いつもなら礼拝堂のオルガンを弾くのだが、音楽を諦めようと決めた今、それは許されない気がして、ぼんやりと天井を眺めていた。

そこに、音が現れた。

「ごめん。また来て。あたし、レコード会社を回ったの。」

「裕一さんを作曲家として雇ってもらえないかって・・・」

「へぇ~、でもこんな田舎の音楽学校にも行ってないやつ、相手にしないでしょ」

「コロンブスレコードが契約してくれるって!裕一さん、認められたんだよ!音楽作れるんだよ!」

「ねえ、やろう!もう一回挑戦しよう!裕一さんならやれる。きっとやれる!」

だが裕一は、音を残して教会から出ていこうとする。

「これ断ったら終わっちゃうよ!ほんとに終わっちゃうんだよ!いいの?裕一さん!」

「僕は、僕の人生を歩む。君は君の人生を歩んでください」

「お前、何言ってる」

声の主は、鉄男(中村蒼)だった。

新聞社のデスクから、世界恐慌の影響で裕一の留学が取り消しになったと聞いて駆けつけたのだ。

「どうした?なんでそんなにひねくれてんだ!まるで昔の俺じゃねえか!」

「せっかぐこの人が、見つけてくれだ契約をなんで断んだ!」

「東京に行げ!な、俺も行ぐ!作詞する!お前は曲作る!な!」

「・・・どうしてなんだろ・・・どうして、みんな、僕をほっといでくれないんだ・・・」

「それは、お前に・・・」

鉄男が言いかけた言葉を、音が引き継いだ。

「救われたからよ!励まされたからよ!元気をくれたからよ!だから、あたしは・・・彼も、みんな、あなたに幸せになってほしいの!自分の人生を歩んでほしいの!」

しかし、病床の絹子に会い、茂兵衛の苦悩を知った今、裕一は音と鉄男の思いに応えることはできなかった。

「・・・少し時間をください・・・」

そう言って教会から去るのが精いっぱいだった。

下宿に戻ってからも裕一は、どうすべきなのか悩み続けた。

雨音を聞きながら膝を抱えているうちに、茂兵衛に借りた傘を返しに行こうと思い立った。

権藤家を訪ねると、茶室から八重と茂兵衛の話声が聞こえてきた。

「逆に手間が省けてよがったじゃないか。ただで外国語学べだり、人脈増やしたりできながったのは残念だげど、取り消しになって、音楽に未練もなぐなったようだし、恐慌様様だね」

「・・・絹子も喜んでいるようで・・・」

「どうでもいいわ。次を早ぐ仕込みなさい。あの子がこの家を発展させっとは到底思えないから、代替わりは早くおし」

権藤家がなぜ自分の留学に賛成してくれたのか。

それが取り消しになったことをどう捉え、自分をどう見なしているのか。

つらすぎる現実を知ってしまった裕一は、傘を残し、その場から走り去った。

雨の中、ずぶ濡れになって下宿に戻ると、裕一はしまい込んでいたハーモニカを取り出した。

そして、小学生の頃に初めて作った曲を吹き始めた。

思えば、裕一は音楽に支えられ、音楽で人とつながりながら生きてきた。

幼い頃の運動会。

藤堂(森山直太朗)が指揮をするハーモニカの演奏に励まされ、徒競走を走り切った。

鉄男の詩に、裕一が曲をつける。

その約束が二人の心をつないだ。

コンクールのために必死で書き上げた「竹取物語」が、裕一と音を出会わせてくれた。

いや、それよりずっと前に裕一は、教会で歌う音と出会っていた。

ハーモニカを吹き終えたとき、裕一の心は決まった。

喜多一に向かった裕一は、店に入るなり宣言した。

「僕は、家を出ます」

上京し、作曲家としての道を歩む。

そう決めた裕一は、実家に残してあった音楽の本や譜面をかばんに詰めた。

浩二(佐々木宝)に止められても、まさ(菊池桃子)に説き伏せられても、もう気持ちは揺るがなかった。

荷物を手に駅に向かう途中、裕一は三郎(唐沢寿明)に出くわした。

三郎は、豊橋へ帰る音を見送りに行った帰りだった。

「・・・俺、東京に行ぐ」

「そうが・・・これ、音さんの住所だ。もしものどぎはって頼まれでだ。・・・頑張れよ」

裕一は住所のメモを受け取り、三郎に頭を下げた。

「ありがとう・・・いろいろごめん」

「気にすんな。俺が悪いんだ。俺は、ほんと何やってもだめだけど、お前だけは自慢だ。」

「必ず成功する。早ぐレコード聴かせでくれな」

「俺、家族捨てだんだ・・・」

「お前が捨てだって、俺はお前を捨てねえ、安心しろ。」

「後のごどは俺に任せとげ」

三郎の「任せとけ」が信用できないのは身にしみているため、裕一は思わず笑ってしまう。

それを見て、三郎も笑いだした。

「アハハ。ともかぐ・・・俺みでえになんな。行げ!」

「父さん」

思いを言葉にする代わりに、裕一は父を抱き締めた。

三郎も強く抱き返してくれた。

父のぬくもりから離れ、裕一は一人、駅へと向かった。

その後、上京した裕一は、住所を頼りに音の住まいを探した。

慣れない東京の街に戸惑いながら、何とかそれらしい家を見つけて入ろうとすると、大切な人の声が聞こえてきた。

「裕一さん・・・」

振り返ると、音が裕一を見つめていた。

「音さん・・・待たせて、ごめん」

大喜びで飛びついてきた音を、裕一はしっかりと抱き留めた。

裕一はまずコロンブスレコードを訪ね、廿日市から契約条件の説明を受けた。

「一年三千五百円、かなりのもんでしょう?このお金は、言っちゃえば、君に貸してるようなものなのよ。」

「ヒット曲出して、会社に金を返してね」

ヒット曲など書けるのだろうかと不安に思う裕一を、音が励ましてくれた。

「裕一さんなら、大丈夫」

それから二人は、一緒に暮らす新居を探しに出かけた。

音が通う音楽学校の近くで探してみたが、思うように物件は見つからず、疲れた二人は喫茶店で休むことにした。

店の名は「バンブー」。

「竹取物語」の“竹”の名に惹かれて入ってみると、マスターとその妻が営むかわいらしい店だった。

「もう疲れたね。明日にする?」

裕一はそう提案したが、一つ問題があった。

吟が、裕一を自分たちの部屋に泊めることを拒み、庭に寝せろと言っているのだ。

嫁入り前の娘が若い男性を泊めるなど許されないというわけだ。

「お、お姉ちゃん、優しそうなのに、結構きついね」

「真面目なの・・・どっかないかな」

音がつぶやくと、エプロン姿のマスターの妻(仲里依紗)が話に入ってきた。

「あるわよ。裏の家」

すぐに不動産会社に頼み、裕一と音は、バンブーの裏の家を見せてもらった。

中庭があり、居間には柔らかな日ざしがさし込んでいる。

裕一の仕事部屋にぴったりな部屋もあり、二人はすっかりこの家が気に入った。

「ここだ!こごにしよう!」

決して皆に歓迎されたわけではない。

結婚式もない。

それでも二人は、この門出に心から幸せを感じていた。

裕一にとって激動の回になりました。

雨に打たれて濡れた裕一は、小学校の頃のエールを思い出しながらハーモニカを吹く・・・感動やん!

めっちゃええ話やん!

という事で次回からは裕一と音の新生活です

先生

 
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